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何か言うべきなのかもしれないけど、上手く言葉にできない。
自分でもわかっているつもりなのだ。
きっと、結婚式の記念の物なのだろう。
きっと、捨てることなんて出来ない物なのだろう。
きっと、僕がいるから裏返してくれてたんだろう。
きっと、普段はそんなに意識しないで、普通に使っている物なのだろう。
だから、今も無意識に見てしまったのだろう……
頭では理解してても、やっぱり僕の中では少しばかり……いや、かなり、ショックな物だった。
「……ごめんよ」
崇さんは大人だから、僕に何も言わせずに、ただずっと頭を撫で続けてくれた。
そのおかげもあってなのか、崇さんの温もりのおかげなのか、再び瞼がゆっくりと落ちていき、次に目が覚めた時には、もう崇さんはベッドの中にはいなかった。
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