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「これ……テルくん、受け取ってくれるかな」
「なんですか?」
手を差し出すように促され、崇さんのほうに手のひらを向けると、一つの鍵がぽとりと置かれた。
「鍵?」
「うちの鍵」
「えっ!?これって……合鍵?」
急な展開に頭がついていかない僕。
鍵と崇さんの顔を何度も見比べてしまう。
少し照れくさそうな顔をしながら、頭をかいている崇さん。
「なかなか会う時間がないから……よかったら」
「え、え、えと。いいんです……か?」
「ああ。テルくんが嫌じゃなければ」
僕は手のひらの鍵をギュッと握りしめると、椅子から立ち上がり、目の前にいる崇さんに抱き着いた。
「お、おっと!」
「嬉しいですっ」
崇さんはクスッと笑うと、背中に手を回してグッと力をこめて抱きしめてきた。
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