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鼻をかすめるアフターシェーブローションの匂いに、つい、頬を摺り寄せたくなる。
「……こんなのもらっちゃったら、僕、ずっとここに居ついてしまうかもれません」
ポソッと、つい本音が零れてしまう。本当は、ずっと一緒にいたい。でも、それは僕の我儘で……。
「構わない、って言ったら?」
「えっ!」
崇さんの言葉に、僕は腕の中なのに、思い切り顔を向けた。
目の前には、極上の微笑みとともに、崇さんの唇が僕のそれに重なった。
チュッと軽いリップ音とともに、唇が離れていく。
ほわんとした気持ちのまま、ジッと見つめ合う僕たち。
「すぐにとは言わない。でも、ちょっとだけ考えてくれるかな」
「……はい」
嬉しすぎて僕はいっぱいいっぱいで、崇さんのがっしりした肩に額を押し付けた。
そして、心の中で、いつここに引っ越して来ようか、密かに計画をたてはじめた僕なのであった。
<終>
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