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「営業停止?」
レストランが産地偽装を複数のメニューで行っていたことが問題となり、営業停止に追い込まれた。自然食レストランを謳っていただけに、この打撃は大きかった。
「いつ営業停止が明けるか分からないから」
店長に申し訳なさそうに言われ、新米バイトは一斉に解雇された。またもや、行くあてがなくなった。今度は新記録、三週間での放流だ。俺は途方に暮れた。俺の一人暮らし貯金は底をつきかけている。実家の援助も期待できない。むしろ、俺の送金を病気のお袋は待っているはずだ。このまま職が見つからなければ、お袋の回復を待たずして、俺はのたれ死ぬしかなくなってしまう。何とかして、続けられる勤め先を探さないと。
そんな折、目に入ったのが喫茶店の外壁に貼ってあったチラシだ。個人事業主なら、今までの不幸な連鎖を断ち切れるかもしれない。人の良さそうな老夫婦に、軽く面接をされた後、俺は晴れて喫茶店バイトとなったのだった――それがわずか二週間前の出来事である。
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