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その横顔を見つめながら思う。
確かに吉岡さんを100パーセント信用するのは怖い気がするけれど、この人は決して陸が嫌いな訳ではなさそうだ。
堀川陸の才能を認め、設計士として尊敬の念を抱いているからこそ陸の我儘も聞いて来たのだろう。
何故同じ設計士の道から外れて人事に異動したのか、その理由も深く聞いてみたいけれど今は美怜さんと陸の間に起きた全てを聞きたいと思った私は再び問いかけた。
「それから……美怜さんと堀川さんの間には何があったんですか?」
けれど私の問いかけで再び瞼を開いた吉岡さんはゆっくりとシートから身体を起こし私と正面から向き合う。
そして真っ直ぐに私を見つめていつもと変わらぬ穏やかな口調で言葉を放った。
どこまでも残酷で、とてつもない苦しみに私までも貶めるかのように───。
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