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「肌」
「えっ?」
「肌が荒れてるわ。その様子だと昨夜はほとんど眠っていなかったんでしょう?」
「……はい」
やはり水野さんに嘘など通用しないと思った。
この会社に派遣されてからずっと一緒に仕事をして来た水野さんは、陸以上に私を理解している気がする。
しかし私の思惑とは裏腹に、水野さんは一点を見つめたまま呟いた。
「美怜さんが来てたんでしょう?」
「えっ?」
「堀川さんの所に。吉岡さんと一緒に」
「…………」
押し黙ってしまった私に水野さんは小さく笑って言った。
「いいのよ、隠さなくても。私の家は社長のお宅の最寄駅近くでね。
出勤途中で見かけたの。吉岡さんの車の助手席に美怜さんが乗ってたわ」
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