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その様子を無言で見つめていると、背後から陸の深いため息が漏れた。
「あー、そろそろ皆が出勤して来るな」
陸の呟きで私も時計を見ると、すでに時刻は7時半を過ぎている。
そして陸の言った通りで社長と入れ替わりでエレベーターからは早出して来た設計士たちが何人か降りて来てオフィスへと向かって来た。
「さすが堀川さん、今日も早いですね」
「おー、結局徹夜だからな」
「寝てないんですか?」
「うん。だからちょっと仮眠室行って寝て来るわ」
「了解」
仕事の準備を始めた設計士たちをしばし眺めていた陸は、デスクの引き出しにいつの間にか隠してあった私のお弁当を取り出す。
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