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「二日酔いにならなかったんだ?」
一瞬、正面の陸の人格までも疑いそうになった。
これならまだ泣いている美怜さんを抱きしめる陸の姿の方が良かったかもしれない。
かつて愛した美怜さんに土下座させて平気な顔をしているなんて、いくら何でも酷過ぎる。
そう思いながら私は陸に問いかけた。
「……何してたの?」
「別に何も」
「じゃあどうして……」
そう言いながら背中を向けたままの美怜さんに視線を送ると、陸はとぼけるように天井に視線を動かし首を傾げた。
すると慌てたように美怜さんは作り笑いを浮かべて振り返り私を見るなり言った。
「違うの、美里さん。私が勝手にしたことで陸は……」
美怜さんが必死に陸を庇えば庇うほど、私の中には不信感が募る。
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