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「決まってんでしょ。ゴムだよゴム」
「はぁっ?!」
「ぶはっ! 冗談冗談」
さっきまで真面目にこの会社の今後について社長と話していたというのに、すっかりいつも通りの最低な男に戻った陸はヒラヒラと手を振りながら仮眠室のあるオフィスの奥へと姿を消した。
その姿をこみ上げる怒りを必死に抑えながら見送って、私はエレベーターホールへと足を進める。
本当に陸には振り回されっぱなしだ。
自分の過去を恥ずかしいと感じさせられたり、まるで小馬鹿にされたような屈辱を味わされたり。
だけど悔しいくらい彼に心を掴まれて、もうここから逃げることさえも出来ない。
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