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「じゃあどうして美怜さんがここにいるんですか? どうして泣いているんですか?
どうして……陸に土下座までして……」
次々と疑問を投げつける私をデスクから立ち上がった陸が腕を引いて止める。
「美怜は何も悪くない。彼女の立場上、こうするしかなかっただけのことで美里が気にすることじゃない」
「……だけどっ」
「美怜、もう帰ってくれ。俺の意思はさっき言った通りだし、変わることはない。だから諦めてよ」
陸の放った言葉に美怜さんは悔しそうに唇を噛む。
けれどその悔しさをぶつけるように再び陸に言葉を放った。
「そうやって……陸は自分に必要なくなった人を切り捨てて行くんだね」
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