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「東吾君……どうして？」
振り返って驚きをあらわにした美怜さんに吉岡さんは詰め寄ると、彼女の腕を掴んで陸との距離を作らせた。
「社長が心配して連絡して来た。美怜が堀川さんの所に直訴に行っているかもしれないって」
「…………」
「もう気が済んだだろ？」
吉岡さんの問いかけに美怜さんは力が抜けてしまったように項垂れる。
その様子を冷たく見つめていた陸は、どこか呆れたように笑って吉岡さんに言った。
「なぁ吉岡、お前もいい加減に自分の幸せを考えた方がいいんじゃないか？」
しかしそんな陸の言葉に吉岡さんは、またあの心のない瞳で口角をあげる。
「あなたのように、ですか？」
「…………」
「僕は一生、堀川陸のレプリカでいなければなりませんか？」
吉岡さんの放ったレプリカという言葉でその場の空気が更に緊張感を増して行く。
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