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「俺の人生は他の誰でもなく俺が決めるものだ。
時には間違えた選択をして、悔やんでも悔やみきれない後悔だって経験して来た。だけどそういった失敗を繰り返して来たからこそ思うんだ」
「…………」
「二度と同じ間違いは繰り返さないってな」
陸の言葉が痛烈に私の胸にも突き刺さる。
それはあの日、陸と離れるという選択をしたばかりにずっと後悔の日々を過ごして来た自分と重なったからだ。
だけど私と同じように陸もあの日の選択を後悔していたとしたら……。
私たちはもう二度と同じ過ちを繰り返さずに向き合えるのだろうか。
やがて陸の胸倉を掴んでいた吉岡さんの手から徐々に力が抜けて行く。
そして吉岡さんの腕は、陸からゆっくりと離れて落ちた。
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