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一瞬何のことを言っているのか私には理解出来なかった。
唖然とした私に陸は寂しげに笑いながら呟く。
「……とにかく、仕事の引き継ぎもしなくてはならないし、仕事が終わったらゆっくり話そう。
ちなみに今日は定例会だから。あまり泥酔しないように」
「…………」
「じゃあ岸谷さん、工番28から工番35までの提出書類、水野さんに確認して貰いながら今日中に仕上げておいて。
明日、全部まとめてお役所に提出するつもりだから」
冷静な瞳のまま、私に仕事を割り振った陸は若い設計士たちのデスクへと行ってしまった。
少し離れた場所からそんな陸の姿を呆然と見つめていると、私の隣で水野さんが呟いた。
「岸谷さん、今はとにかく仕事に集中するしかないわ。
だけど堀川さんとしっかり話合うべきね。お互いの……本当の気持ちを」
「…………」
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