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上書きできないフォルダなら、せめてお前に最も近づけるこの場所に封印しておきたい。
それが俺が美里との距離を近づくことを許された、最大限の距離なのかもしれない。
自動ドアを開くと、正面にはホテルの受付ばりのカウンターがあった。
「いらっしゃいませ」
にこやかに迎えてくれたのは、初老の男性だった。
「あの……セフティボックスって申し込みしたらすぐに使えるんですか?」
「はい、身分証明書さえあればすぐにでもご用意出来ます」
「そうですか……。じゃあ……」
財布から抜き取った免許証を手渡すと、初老の男性は受け取って確認する。
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