Act.12 Side R

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父親から兄が受け継いだコンチネンタルクリエイトという大手企業の看板を引っさげてこの会社に入社した美怜は、更にこの会社を大きくしようと考えていた石原社長にとって理想的な結婚相手だったからだ。 しかし美怜の思いは違った。 彼女は石原社長が手掛けた国内最大級のアリーナ設計に深く感銘し、憧れ続けた男からのプロポーズを心から喜んでいた。 父親と同じ一級建築士を目指して勉強して来た美怜が、アシスタントへとシフトチェンジしたのは、おそらく石原社長を世界へと発信したかったからだ。 まだ彼女が俺のアシスタントだった頃に言われたことがある。 「堀川さんが石原社長を越えることは出来ない」と。 何故、俺が社長を越えられないと言い切るのかを問うた時、美怜に言われた言葉の意味が当時の俺には理解出来なかった。
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