Act.12 Side R

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「……ざけんな……」 静けさの中に吐き出される震えた声。 その声の主に一斉に視線が集まる。 それは当然俺も同じように声の主へと視線を向けた。 それと同時に、その人物は席を立つと人さし指で石原社長を指さす。 「みっ……水野さん!」 慌てた吉岡が彼女を制すけれど、水野さんはもはや別人へと変化を遂げていた。 前回の定例会でも、水野さんは泥酔して俺に説教を食らわした。 南雲さんとの噂を否定しない俺に、水野さんは鋭い一撃。 「その気がないならサッサと切れ!」 言われたことはその通りで、反論の余地なしだった。
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