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本来ならば俺も水野さんにアシスタントになって欲しいと思うけれど、どうしても俺にはそれが出来ない理由もある。
何故なら水野さんは、俺ではなく吉岡が指名したアシスタントだ。
たとえ吉岡が人事部に異動しようとも、俺の中の吉岡はずっと優秀な建築士のまま、何一つ変わってなどいない。
「堀川さんの恥は私の恥なんですからね」
すっかり女房気取りな金山さんに俺は失笑する。
けれどあながち彼女のいう事は、間違っていないかもしれないと思った。
俺がだらしない格好をしていることで、彼女の自慢であるステータスも低くなるのは当然で。
だったら俺は……もっと最低な男になってやる。
もう美里と巡り会うことを許されなくなるくらい、成り下がってしまえばこの喪失感も俺のプライドと共に消えて行くのかな。
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