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「俺と寝たら、もう他の男じゃ物足りないと思うけど?」
俺のお得意の台詞に女たちは喜ぶけど、それは大きな勘違いだ。
やんわりと君を抱く気はないよとお断りしている状況だってこと、どうして彼女たちは気づかないのか理解不能。
どうしても女を抱きたくなれば金を使えばいいだけのこと。
俺にとって美里以外の女なんて、そんな存在でしかない。
ただ我武者羅に、夢に向かって走り続けた9年間。
あと1年で閉じ込めたあの思いの封印を解く日がやって来ると言うのに。
その時、俺は胸を張って彼女に会いに行けるのだろうか。
瞼を閉じれば自然と浮かぶ川沿いの桜雲。
たゆたう水面の花びらと、決して色褪せることのない愛しい笑顔。
もう一度、この手に彼女を抱きしめることが出来たなら……。
───二度と手離したりなんてしないのに。
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