Act.13 Side R

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まだ明日面接に来る元ファッションデザイナーが美里と決まった訳じゃない。 けれど引っ越した美里を探してもうじき3年。 この巡り合せが彼女でなかったとしたら、来年の春、あの桜の木の下に行っても美里はいない気がした。 他の誰かと結婚して……俺たちの約束は終わっている気がした。 「なぁ吉岡」 「何ですか?」 「次に俺のアシスタントになる人は設計のこととか……」 「はい?」 「……いや、何でもない」 小さく笑って俺は席を立ち、会議室から出た。 もしも明日、ここに面接にやって来る人物が美里だったら。 そして彼女がまだ岸谷という姓のままだったら。 俺は必ず彼女にもう一度、恋をさせてみせる。 そう心に誓いながら───。
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