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ただでさえ、この会社の人間は派遣を嫌うから、その上俺との過去が周りにバレたりしたら、美里は入社早々こっぴどく女子社員に弄られるに違いない。
美里と吉岡を10階に送り届けたエレベーターが1階へと戻って来て、俺は覚悟を決めながらエレベーターに乗りこむ。
この扉が開き、俺が10年間戦って来た戦場でもある設計部のフロアに美里がいる。
そう思うだけで自然と笑みがこぼれてしまいそうなほど俺は有頂天だった。
どうやって彼女にもう一度恋をさせてやろうか。
どうやって彼女に新たな夢を見させてやろうか。
今、思えば結局俺は成長しきれていないガキみたいなもので。
だけど男なんて生き物は、恥ずかしいほど単純で、いつまでも子供のままなんだ。
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