Act.14 Side R

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高校1年生だった俺が一番最初に美里を見つけたのは、入学式の翌日の駅のホームだった。 同じ学校の制服の生徒が大勢いる中で、彼女だけが輝いて見えたのも事実。 顔がいいとか、スタイルがいいとか、そう言った外見の問題じゃなくて。 俺が強烈に惹きつけられたのは、彼女の見せる偽りのない笑顔だった。 ハキハキとした物言い、人見知りしない美里はクラスの違う同級生にも気さくに挨拶をしていたせいか、俺の周りにいた奴らも興味津々。 今思えば、あれは美里の最大のモテ期だったのかもしれない。 だけど当時の俺は両親の離婚問題だとか、色々なことがあったから。 誰かを信じることが無性に怖くて…… それでもやっと信じてみようと思えた唯一の人が美里だった。
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