Act.17 Side R

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だけど俺がこんなにも必死で彼女を守ろうとしてることを気づかれるのが少し恥ずかしくて。 「で? 岸谷さんの恋人の定義は?」 彼女の気を逸らそうと質問を投げかける。 しかし美里は、どこか不愉快そうな表情のままその質問に答えた。 「私の中での恋人の定義は、心を許せて一緒にいると安心出来て……」 「うん、うん」 やっぱね、そこは今も昔も変わってないんだなって思ったのに。 挑発的な瞳を俺に向けて美里は言った。 「一番愛しいと思える人」 「…………」 なんか……思いっきり突き放された。そんな気がした。 自分の愛しい人は、堀川陸ではないと言いそうな目力で俺を睨みあげる美里に失笑するしかない。
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