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「堀川君、おめでとう。これで君も国内トップクラスの一級建築士の仲間入りだね」
「……先生……あの……」
しかしそれを辞退したいと言い出しそうになった俺の気配を察知したのか、倉元先生は被せるように言葉を放った。
「石原設計事務所に全面的にこの仕事を任せようと思っている。
この仕事を完璧にこなせば、石原設計事務所は一流の設計会社に躍進することが約束されたようなものだ。
期待しているよ、堀川君」
「…………」
もはや俺には何も言えなくなった。
たとえこの会社を俺が去ることになったとしても、吉岡や水野さん、田中を始めとした後輩設計士たち。
皆の将来を考えたら、ここでこの優勝を辞退したいなどと口に出すことは出来なかった。
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