Act.19 Side R

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ウォークスルークローゼットの提案をした美里を褒める社長をぼんやりと眺めつつ、俺は小さな決心をした。 それはもう美里に隠すことも難しいであろう、俺の見据えている未来。 この会社を辞めてでも俺が叶えたい原点の夢。 それがいったい何なのか……美里にも分かって欲しい。 その時、社長は俺のパソコン画面を覗き込む。 「なんだ、もうコンチネンタルクリエイトの設計依頼を仕上げてるのか。さすが堀川だな」 「ええ、面倒な仕事はサッサと終わらせる主義なので」 「ははっ、堀川は変わらないなぁ」 楽しそうに笑う社長だけどその腹の中で考えていることなんて手に取るように分かる。 きっと社長は自分が退く考えなのだろう。 そして俺を後継者に推薦し、この会社に残らせようと考えているに違いない。
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