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「そんなことより社長、こんな早朝からご足労頂いたということは何か大切な話があったのでは?」
その腹を探るつもりで言葉をかけた俺に向けられた社長の瞳は、穏やかでありながらも、この会社の未来を守るという強い意志を携えている。
そしてどこか威圧的とも取れる瞳をゆっくりと美里に向けた。
きっと会社内部の機密情報を派遣ごときの美里に聞かれては困ると思ったんだろう。
すぐさまその空気を察した美里は「席を外します」と言った。
だけど俺はもう決めたから。
何があろうと美里を手離したりしないし、何があろうと全て美里に隠したりしない。
吉岡を始めとする美怜や水野さんの勘違いトライアングルには美里を巻き込みたくはないけれど、この話は別だ。
俺の見据える未来、そして……俺達の未来がかかっている大切な問題だ。
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