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わたしがこの大学を志望したのは、単純に生まれ育った北海道という土地を出たくなかったこと、そしてテレビなどのニュースで法律問題が取り上げられるたびに「こういうものの考え方がわかれば、少しは人生が面白く生きられそうだな」と思ったという、とても漠然としたものだった。
この話を他人にすると、人によってはすごく嫌味に聞こえるらしいのだけど、あえて嘘をつくような真似もしたくなかったし、そもそも嫌味に聞こえるから聞きたくないというなら初めからそんな質問をしなければいいんだ。わたしは人格者じゃないから、そこまで他人の心の機微に気を配れはしない。
いま改めて考えてみても、高校までのわたしは、それほどクラスで浮いた存在ではないにせよ、やれ昨日のテレビ番組のアイドルがどうだ、何組の誰と誰が付き合ってるだ何だ…という、一般的な女子高生がキャーキャー言いそうな話題にはまったく興味がなかった。それでもわたしが周囲とのつながりを維持することができたのは、夜更かしのせいで授業中に舟を漕いでいたり、友達への手紙をしたためることに集中していて授業を聞いていなかったクラスメイトに勉強を教えたりすることが、わたしやわたしの周囲の人間にとっては、普通のことになっていたからである。それほど受験勉強や学校のテスト勉強に苦労しなかったのは、こうやって「誰かに何かを教える」ということで知識を吸収していたからなのかもしれない。
そんなふうにして入学した大学で、一応ある程度の人間関係をつくることができているわたしでも、未だに経験したことのない人付き合いの形態というものが存在する。
それが「異性との恋愛関係」というものだ。
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