甘い蜜

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「確かに、ヘンな人はいるけどね。でも、そういう人は簡単にブロックできるし、顔写真やメアドは仲良くなった人にしか教えないようにしてるから」 「へえ。うまいことやったわね」  わたしだって、一応若者のはしくれなのだけれど、どうも話についていけていない。勢い任せに、梅酒ロックを呷ってから、訊いた。 「それで、もう会ったの? 相手の男には」 「それなんだけどさあ」  わたしの質問に、明日香は机に肘をついて、頭を抱えるポーズをした。 「いざ会うってなると、ちょっとまだ怖くて」  まあ、そんなものなのだろう。  「ふうん。相手の写真とか、ないの」  その言葉を聞いて、明日香は自分のスマートフォンの上で指を躍らせると、わたしの方に画面をかざした。飛び上がるほどではないけれど、どちらかと言えばイケメンと言うべき微妙な容姿の男が、そこにいた。
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