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「あ、今の好きは友達としての好きだから!!」
俺は慌てて付け足した。
森屋は、クスッと笑うと俺の頭をちょっとだけ撫でた。
「このシチュエーションで、好きって言われたら恋愛感情にしか聞こえないよ?」
「とにかく違うからっ」
「うんうん」
森屋は俺を子供でも見るような目で見ていた。
自分で言うのもおかしいけど、“愛しい”ってそう思われてる感じが伝わってくる。
俺が完全に女だったら…
森屋をすぐに彼氏にしていたんだろうな。
俺だって、どんどん女になっていってんだから、女の気持ちは少しくらい分かる。
森屋は俺の事、きっと大事にしてくれる…
そんな気持ちも自分で気がつかない訳じゃない。
だけど、まだ消えたくない。
俺はまだ消える訳にいかねーんだ。
森屋すまねぇな。
俺は死ぬ訳じゃないけど…
死にたくねぇよ。
消えるなんて、死ぬのと一緒じゃねぇか。
俺は窓の外を見た。
今にも雨が降りそうな、重い雲の層。
俺の心だ、ホント。
だけど、雲が晴れたら青空がある。
俺にも…
青空待ってないかな…?
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