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俺は間宮の耳元まで唇を寄せると、優しい口調で
「もう、そんなイジワルな事しないで?
調べられるって気分良くないよ?
ね?間宮クン。」
間宮は素早く2回頷いた。
「ぼ僕は…もう調べないけど、な、中条高の数人がキミの事調べてるよ」
「えっ…」
「僕が…な、中条高の境を調べようとしてた時から、か、彼らはキミの名前を知ってたよ。」
「彼ら…?」
「う、うん。な、中条高の、境と仲の良かった数人と、あ、会ったんだよね」
それを聞いて、俺の頭の中に数人の顔が思い浮かんだ。
「ね、境さん…もし良かったらぼ僕と付き合っ…」
「無理っごめんねっ!」
俺は間宮をその場に残したまま、自分の教室に帰る。
彼らって…
彼らって
もしかして。
カバンの奥から、定期入れを取り出す。
その定期入れは俺が男の時に使ってたもので、今は使ってない。
その中に入れてある定期入れの大きさに切った写真を取り出した。
「もしかして…お前らか?」
そう写真に語りかけた時、教室のドアがガタンと音を立てた。
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