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俺はビクッと肩を震わせ振り返ると、そこには森屋がいた。
「も、森屋ク…ン」
俺は写真を定期入れを後ろに隠しながら、もぞもぞと写真を定期入れに滑らせる。
「思ってたんだけど…最近俺を避けてるよね?」
ゆっくり俺に近づいて来る森屋。
「…そ、そんな事ないよ」
俺は愛想笑いをしてから、隠す為にカバンに定期入れをポトリと落とす。
「さっき、偶然見ちゃったんだけど…間宮と仲良くしてんだ?」
「えっ、あれは違うよっ!」
「だって仲良さそうに、内緒話してたし」
「違うよっ!間宮クン、私の事調べ…」
そこまで言って慌てて言い直した。
「付き合ってって言われたの。だから…」
「ふぅん…だから?」
俺の真正面まで来た森屋。
優しい口調ではあったけど、俺は何だか……責められているように感じた。
上を見上げると俺を見つめる森屋はあの日、俺にキスした時の目に似ていた。
俺は再び下を向く。
「えっと…森屋クン違うの。
間宮クンは……私の体を心配しててありがとうって言っただけ…」
「そうなんだ。
間宮と仲良くしてるから俺の事避けてんのかと思った」
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