Q,2 今、考えなければならない事 A.森屋の事

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「ホントに…私、そんなじゃなくて……。」 「……俺は境の彼氏じゃないから仕方ないし、境の自由なのにね…」 俺はうつむいたまま森屋の言葉を聞いている。 悪い事してないのに、なんか罪悪感タップリだ。 森屋のため息が頭の上から聞こえた。 「ごめんね、境。俺のヤキモチだよ」 「……いいよ」 ヤキモチって言われて…… どうしたらいいのかわからない。 「ね、境?」 俺は顔を上げた。 森屋はさっきの表情とは違い、柔らかい笑顔になっていた。 「俺、境の事、好きだ」 「…森屋クン…」 「境は俺が彼氏になるのはイヤ?」 「………………。 …イヤとか…そんなじゃなくて…」 俺は再び下を向く。 「えと…」 その後俺は何も話せなくなった。 何を話せばいいのか…。 「何か…理由があるの?」 俺は頷いた。 「それは俺じゃなくても誰とも付き合えないって事…?」 俺はまた頷く。 俺と森屋の間に窓からの風がフワッと流れた。 「もし… 森屋クンがこの先ずっと私の事好きだったらの話だけど……」 「うん」
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