Q,2 今、考えなければならない事 A.森屋の事

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「あの高い木が邪魔して見えないなぁ…。ね?たこ焼き屋さん、あの辺だよね?」 森屋を見上げると、森屋は俺をジッと見つめてて、喜んでたこ焼き屋なんか探してた自分が何か恥ずかしくなった。 俺は森屋から目線を外し、再び景色を見る。 「わ、私だけテンション高くって恥ずかしいじゃん…」 「俺も楽しいよ」 「私ばっか見ないでよ」 「うん」 そう言いながらも、視界の端で見える森屋は俺をずっと見つめていた。 俺は森屋の頬を片手で触ると、グイと押し、景色の方へ顔を向けさせた。 「ね、綺麗でしょ?」 「うん」 「あ、あそこ…ずっと遠くの、あの、木に囲まれた白い建物なんだろね?」 「本当だ。場所から言って駅からも遠いし、見た事もないね。 …今度、一緒に見に行ってみようか?」 「……。森屋クンて、誘うのうまいね」 「境と一緒にいたいだけだよ」 その時、大粒の雨が俺の腕に一粒落ちてきた。 そして、また一粒。 「雨」 俺達は景色を見るのをやめ、出入り口の屋根のある所に移動し雨宿りした。
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