買い物その1

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*** 学校の最寄り駅。 電車を降りて改札を出る。 さっきの本、女性雑誌の特集の1ページみたいだったし…。 コンビニにも置いてあるかも。 早速学校近くのコンビニに入ると、さっきの雑誌を探す。 「……ないなぁ」 あの雑誌はないけど、お菓子のレシピ本や、数ページだけどお菓子の作り方が載った雑誌は何冊かある。 「んん…?どれが分かりやすいだろ…?」 俺はパラパラとページをめくっては、次の本を出し、首を傾げる。 コンコンッ その時、コンビニの窓をノックされ俺は顔をあげた。 そこにはガラスの外側から、爽やかに微笑みながら俺を見下ろす森屋がいてーーー 俺は目を見開く。 ガラスの向こうで 「おはよう」 と唇を動かす森屋。 陽の光で、森屋の茶色の髪の毛が金色に光ってサラサラと風になびいた。 俺が目を丸くしたまま森屋を凝視していると、目を細めてニコッと笑い、そして店内に入って来た。 「おはよ。何見てるの?」 「何って……お菓子の本だけど…」 「へぇ。境、お菓子作るんだ?何か似合うね」 作った事ねぇよ。
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