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学校の最寄り駅。
電車を降りて改札を出る。
さっきの本、女性雑誌の特集の1ページみたいだったし…。
コンビニにも置いてあるかも。
早速学校近くのコンビニに入ると、さっきの雑誌を探す。
「……ないなぁ」
あの雑誌はないけど、お菓子のレシピ本や、数ページだけどお菓子の作り方が載った雑誌は何冊かある。
「んん…?どれが分かりやすいだろ…?」
俺はパラパラとページをめくっては、次の本を出し、首を傾げる。
コンコンッ
その時、コンビニの窓をノックされ俺は顔をあげた。
そこにはガラスの外側から、爽やかに微笑みながら俺を見下ろす森屋がいてーーー
俺は目を見開く。
ガラスの向こうで
「おはよう」
と唇を動かす森屋。
陽の光で、森屋の茶色の髪の毛が金色に光ってサラサラと風になびいた。
俺が目を丸くしたまま森屋を凝視していると、目を細めてニコッと笑い、そして店内に入って来た。
「おはよ。何見てるの?」
「何って……お菓子の本だけど…」
「へぇ。境、お菓子作るんだ?何か似合うね」
作った事ねぇよ。
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