1605人が本棚に入れています
本棚に追加
/440ページ
店
***
さぁてっ!
授業も終わり、待ちに待ったバイトだっ。
初出勤
俺はウキウキと教科書をカバンにしまい、帰る準備をする。
鼻歌まで歌っちゃうほど、俺の心はバイトに向いていた。
と言うか、美優さんに、向いていた。
俺、頑張って働いちゃうよ、美優さん。
「やけに嬉しそうだね」
「そりゃあもー!
楽しみにしてた時間ですからぁっ……て、森屋クン…」
話しかけてきたのはテメーかよ、森屋。
俺のテンションは一気に下がった。
「そんなにバイトが楽しみって、好きな人か誰かがその店で働いてるの?」
「や、そんな事ないけど…森屋クンに関係ないでしょ…」
ムッツリしながら話す俺に、森屋はそれでも微笑みながらマイペースに話す。
「関係あるよ、気になるから」
俺は帰る準備の手を止め、冷めた目で森屋を見ても、全然気にしてない様子で微笑んでいた。
「ね、バイト先ってどんな仕事?」
「もうっ。教えないよ。だから、森屋クンには関係ないでしょっ」
「教えてくれないと、さっきみたいにしちゃうよ?」
「なっ!?」
俺の顔が火がついたみたいにドンドン赤くなって、それを見た森屋が首を傾げて微笑んだ。
最初のコメントを投稿しよう!