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*** さぁてっ! 授業も終わり、待ちに待ったバイトだっ。 初出勤 俺はウキウキと教科書をカバンにしまい、帰る準備をする。 鼻歌まで歌っちゃうほど、俺の心はバイトに向いていた。 と言うか、美優さんに、向いていた。 俺、頑張って働いちゃうよ、美優さん。 「やけに嬉しそうだね」 「そりゃあもー! 楽しみにしてた時間ですからぁっ……て、森屋クン…」 話しかけてきたのはテメーかよ、森屋。 俺のテンションは一気に下がった。 「そんなにバイトが楽しみって、好きな人か誰かがその店で働いてるの?」 「や、そんな事ないけど…森屋クンに関係ないでしょ…」 ムッツリしながら話す俺に、森屋はそれでも微笑みながらマイペースに話す。 「関係あるよ、気になるから」 俺は帰る準備の手を止め、冷めた目で森屋を見ても、全然気にしてない様子で微笑んでいた。 「ね、バイト先ってどんな仕事?」 「もうっ。教えないよ。だから、森屋クンには関係ないでしょっ」 「教えてくれないと、さっきみたいにしちゃうよ?」 「なっ!?」 俺の顔が火がついたみたいにドンドン赤くなって、それを見た森屋が首を傾げて微笑んだ。
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