ステップ1 出会いと別れ

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「川島くんって、本当にお酒強いね」 「あぁ、かなり飲むな。草下は弱いだろ。まだ二杯目だけど赤くなってきた」 彼は表情を変えることなく、わたしの頬に指の背で軽く触れる。 わたしの頬に触れて、「熱い」と口にして静かに笑みを浮かべる。 相手が男性であっても女性であっても彼はあまり変わらない。 自然な彼の仕草とは裏腹に、こちらの頬が勝手に彼を意識して更に熱を持つ。 「なんで、そんなに赤くなるんだろうな。白いから?」 ひとり戸惑うわたしを気にする素振りも見せず、彼は面白そうに笑う。 「川島くんだって、白いよ」 わたしの言葉に一瞬目を見開いた彼は、自らの腕に視線を落とした。 わたしもその視線の後を追う。 肘下まで捲られたワイシャツから伸びる太い腕。 筋肉の筋に陰影がくっきりと映る。 自分の腕とはまるで違う。
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