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「川島くんって、本当にお酒強いね」
「あぁ、かなり飲むな。草下は弱いだろ。まだ二杯目だけど赤くなってきた」
彼は表情を変えることなく、わたしの頬に指の背で軽く触れる。
わたしの頬に触れて、「熱い」と口にして静かに笑みを浮かべる。
相手が男性であっても女性であっても彼はあまり変わらない。
自然な彼の仕草とは裏腹に、こちらの頬が勝手に彼を意識して更に熱を持つ。
「なんで、そんなに赤くなるんだろうな。白いから?」
ひとり戸惑うわたしを気にする素振りも見せず、彼は面白そうに笑う。
「川島くんだって、白いよ」
わたしの言葉に一瞬目を見開いた彼は、自らの腕に視線を落とした。
わたしもその視線の後を追う。
肘下まで捲られたワイシャツから伸びる太い腕。
筋肉の筋に陰影がくっきりと映る。
自分の腕とはまるで違う。
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