ステップ14 スタートライン

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「広斗! 早く、早く!」 わたしが広斗の手を引いても、急ぐ気はないらしい。 歩くスピードは全く変わらない。 「もう、広斗! はじまっちゃうよ!」 わたしは広斗の後ろに回り、面倒くさそうに歩いてるその背中を押す。 「どっからでも見えるだろ」 そう言って、わたしが押す背中にわざと体重をかけてくる。 「もうちゃんと歩いてよ」 「やだ」 「もう! 重いでしょ。それにしても花火ってどこに上がるの?」 なんとなく空を見上げてみたその時だった。 『ドォォォォオン』 鳴り響く、けたたましい音に慌てて振り返ると、大輪の花火が夜空に咲いている。
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