エピローグ

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***** 「アヤノ、とってもキレイ。プリンセスね!」 「ありがとう、リサ」 「ねぇ、アヤノ。わたしも、いつかアヤノみたいになれる?」 ピンクのチュールをあしらった可愛らしいドレスを身に纏ったリサが、瞳をきらきらと輝かせて問う。 私は、胸元のネックレスに手を触れて、大きく頷いた。 「なれるわ」 「本当?」 「だって、リサは私と龍介さんにとって、お姫さまだもん。ね、龍介さん」 「リサは生まれた時から、俺にとってお姫様だよ」 龍介さんはリサを軽々と抱き上げて、その黒目がちな瞳を眩しそうに細めた。 「早くステキなプリンセスになりたいな」 「……でも、まだ嫁は早くない? 俺、めっちゃ嫌なんだけど」 「ちょっと、龍介さん……」 「だってリサが嫁にいくとかさ。変な男だったらどうしよう。俺、絶対、本当に絶対無理」 「リュウ? 大丈夫よ。わたし、リュウよりカッコいい人じゃないと結婚しないわ」 「……だって、龍介さん」 「……リ、リサ」 「もう。リュウってば。泣かないのよ」 龍介さんが涙ぐむと、周りには笑顔が溢れる。 金髪、タトゥー、髭にピアス。 涙もろい彼の傍にいれば、いつだって笑顔になれる。 ―『シンデレラ・スキャンダル』 完―
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