あらすじ&四章 魔エルピート

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「お、お、オレの羽に触るなーっ!どうせっ、どうせオレはペンギンだ!鳥のくせに飛べないんだ!」 「拗ねるなよ。空は、って言ったろ。ペンギンは空は飛べないけど、水の中を飛ぶように泳ぐんだぞ。速くてかっこいいぞ?」 え、とチビ魔が羽をパタパタさせた。 「あんたは、何か得意なことはあるか?」 「お、おう!オレはシオンを起こすのがうまいぞ!あと歌える!ニンゲンの歌を歌える魔はオレだけだ、きっと!」 「へえ?すごいな。得意なことがふたつもあるんなら、ペンギンより凄いぞ」 チビ魔が、「え、そうか?」と目を輝かせる。 小さな小さな顔の、そのまた小さな目が輝いたら、不思議と大きく見えた。 子供の瞳だ。 すぐに涙がこぼれて、それ以上にたくさん笑顔もこぼれる、子供の瞳。 魔・・・のはずなのに。 皇輝は目を和ませながら、そっとチビ魔から視線をはずした。 悪いモノじゃない。 もし間近で目を合わせて、この小さなモノを眠らせてしまったら? そうしたら。 俺の方こそ、魔性のモノだ。
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