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「い、嫌だ! 助けてくれ!」
鎖を外された一瞬の隙を突いて逃げ出したと思われる一人の若い男性。衣服を始めありとあらゆる持ち物を奪い去られた一糸まとわぬ姿で荒野を走って逃げて行く。全力疾走で走っていく若い男性の足は決して遅くはない。しかし逃げて行く家畜に気が付いた支配者の一人は焦ることなく、悠然と手に鉈をもって家畜の後を追って走り出す。巨大な肉体を持つ支配者はその巨体を十二分に生かした大股で家畜を追いかけていく。走るスピードはもはや人間では太刀打ちできないのではないかと思われるほど早く、若い男性はあっという間に支配者の大きな手に体を掴まれてしまう。
「い、嫌だーっ!」
絶叫する若い男性は全力を尽くして支配者の手の中から逃れようと暴れるのだが、支配者の腕の力はすさまじいのか若い男性の暴れる動きなどものともしない。しかしあまりにも絶叫と暴れる動きがひどい家畜に辟易したのか、支配者は手に持った鉈で全く戸惑うことなく若い男性の首を一振りで切り落とした。
転がり落ちた若い男性の首に興味を示すことなく、支配者は動きを無くした首から下の部分を持って追いかける時とは全く異なる、ゆったりとした足取りで家畜小屋へと戻って行った。そして家畜小屋へ戻ると若い男性の首から下、その両足を縛って家畜小屋の傍らにある物干し竿のような巨大なものに逆さ吊りにした。垂れ下がる両手も逆さ吊りにされた体に沿わせて気を付けの姿勢をとるように固定すると、一仕事を終えたと言わんばかりにその場をさっさと離れてしまう。逆さ吊りにされた若い男性の首から下は、おびただしい量の血液を荒野に滴らせて血だまりを作っている。
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