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長くて、静かな時間。
その先に辿りついたのは、小さな霊園だった。
駐車場に車を止めると、彼は小さな声で「降りよう」とつぶやく。
この場所に似合わない色のワンピースに一瞬戸惑う。
「大丈夫。きっと、喜んでくれると思う」
彼は私が座っているほうのドアを開け、手を引いてくれた。
「こんなところ、急に連れてきてなんだよって話だよな…」
少し目が赤くなっている。
私たちは手をつないだまま、霊園の奥のほうまでゆっくり歩いた。
潮の匂いがする。
海のすぐ近くなんだろうか。
ほとんど丘の頂上あたりに着た頃、彼の足が止まった。
そこには女性の名前が刻まれていた。
「ここには…大事な人が眠ってる…。今日はその人の命日なんだ…」
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