第3話 棘

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「そっかー。気を付けろよ」 と彼は安心したように由依の右隣で笑うと、 左手で軽く由依の頭をポンポンと叩いた。 由依は元々よく食べる割には太らない。 いわゆる、 痩せの大食い、と言うやつである。 …そうだ!食欲!!… 由依は今の会話で閃いた! もっと細く華奢に、 もっと軽くなれば、 アメリアに負けないかもしれない! 彼は自分だけを見てくれるかもしれない! 由依はアメリアのようになろうと ダイエットを決意した。 …そしたら、 胸に刺さった棘は自然に抜けるに違いない… 由依はもう、 アメリアに嫉妬する自分とは決別したかった。
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