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雨が強くなる。クラスに合流しなくちゃ。ユーゴは走った。10分もあれば追いつく。森を奥へ駆ける。 サッケルが追ってくる気配はない。恐怖で痺れていた頭がようやく働いてきた。ロボットが人間を攻撃した。誰もサッケルの暴走を把握していないのか? 担任のソーイ先生は? 国際中枢コンピュータ「シオン」は? リストコンソールをダンに預けていたことを後悔した。ネットにアクセスできなければ情報収集も緊急通報もできない。 サイレンは鳴り続く。 木々の向こうを駆け抜けた影に気づき、ユーゴは身を隠した。 サッケル。 それも1台じゃない。3台が森の奥から移動してくる。 俺を探してる? 木の根元にしゃがむ。 1台のサッケルが木の裏に立った。ユーゴは左手で口を覆って呼吸を整える。サッケルがどこまで生体反応に長けているかは分からないが、音を立てれば気づかれる。 汗が止まらない。心臓の鼓動がうるさい。右手で胸を掴んだ。 何時間にも思える数秒のあと、サッケルは去った。ため息をつき、涙が流れていることに気づく。 一体、何が起きてるんだ? 「あいつら、森の奥から…」自分で言って青ざめる。クラスのみんないるはずの方角。 ユーゴは再び駆け出した。窪地を走り抜け、目印の大岩をよじ登る。みんなどこかに隠れて―
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