リュートに会う前の可奈

10/14
前へ
/14ページ
次へ
間違った点滴の内容が運良く似ていたが、もし全然違っていたら...... 私一日で、人を2人殺していたかもしれないんだ...... 私は目の前が真っ暗になり、意識が飛びそうになった。 「私三島さんに.......」 「今は気が高ぶっているから、落ち着いてからね」 と婦長は、三島さんに会いに行こうとしていた私を止めた。 殺人者、看護師免許剥奪。 そんな単語が頭の中を、駆け回る。 苦労をさせたくない理由で、看護婦になることを反対していた父母。 それでも無理を通して、看護婦になった。 看護婦が私に合ってないのはわかっていた。 それでも小学生の時、病気で亡くなった大好きな祖母の看護がしたくて、看護婦をめざした...... その夢を叶える為に...... でも...... 私看護婦できない....... する資格ない...... 夢をあきらめないといけないということ...... 人を殺しかけた私の心は、今、ギリギリの崖っぷちだった。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加