6人が本棚に入れています
本棚に追加
次の日、謹慎中の私に、婦長から電話があった。
......三島さんがあなたと話したいって
私は三島さんに会いにいった。
「三島さん 高田です」
三島さんの病室に入った。
三島は70歳で、脳出血で倒れて救急に運ばれ手術。
手術は成功したが、右手、右足に麻痺が残り、今リハビリ中の患者である。
三島さんはベットにすわっていた。
横のいすには三島さんの奥さんがすわっている。
「三島さんすみませんでした」
私は病室にはいるとすぐ、深々と頭を下げた。
「看護婦さん、 顔上げてください。
あなたを訴えるなんてしませんよ」
三島さんはそう言った。
え......
「この人、あなたのことお気にいりなんですから
昨日は息子が来ていて、大げさに騒いだだけですよ」
横にいる奥さんが、そう答えた。
「いや大げさじゃありません。
私はとんでもないことを......」
三島さんの奥さんは、首を振りながら私に
「ありがとうね。高田さん」
と感謝の言葉を述べた。
最初のコメントを投稿しよう!