遥か～夢を叶え続けるということ 《はるか遠い君へ1 》

リュートに会う前の可奈

ピーピピッ ピーピピッ

「高田さん なにやってるの。
602号室の心電図アラーム鳴ってるわよ」
「え！」

夜中1時。
ナースステーションで点滴つめをしていた私を、千堂先輩が怒鳴りつけた。

重症患者の601号室の山本さんの心電図は、ナースステーションからも把握できるようになっている。

その心電図の横で、点滴つめに集中していた私には その異常アラームは聞こえてなかった。

千堂先輩が601号室に向かうのを、後ろから慌てて追いかけた。

601号室へ入るなり先輩は心電図を見て叫んだ。

「VF(心室細動)でてる。
血圧下がってるわね。
高田さん 当直の先生にコールして、
救急カートもお願い」
「はい！」

私はナースステーションにもどり、ドクターコールの電話をかけた。