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「彼氏とは会っているの?」
「彼氏 あああ 先週別れた」
「えー何で......」
「仕事手際が悪くて、残業多かったから......彼氏と会う時間合わなくて......」
美香に彼氏のことを聞かれ思い出すと、涙がこみあがってくる。
高校の先輩の小杉博也(こすぎひろなり)とは、 つきあって2年目だ。
高校の時は図書部で、よく図書の仕事をした。
卒業後に偶然街であって、食事したり なんとなく付き合い始めた。
彼の仕事の休みと、看護婦としての変則勤務の私とは、休みが合わない最近は、あまり会えなくなっていたのだ。
そしてとうとう先週、彼は「別に好きな人ができた」と私に言った。
「別れよう」と言う彼を、追いかける気になれなかった。
どうせ無理やり恋人を続けても、彼の心は他の女性のところにあるのだ。
「今まで色々ありがとう。」とだけ告げて別れた。
彼と別れた後、言い訳かもしれないが仕事に手につかない。
今日の失敗も、影響がなきにしもあらずだ。
「可奈元気だして
モーニングでも一緒に食べにいこうか?」
美香が励まそうと、そう言ってくれた。
「私は大丈夫だよ。まあ疲れて動けないから、仮眠してから帰るわ」
「そう無理しないでね お先に。」
そう会話を交わし、美香と別れた。
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