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「鳥も可愛いのおるやん」
「いや、おらんし!」
「そう思うのは、美利ちゃんだけっちゃないと?」
苦笑いで対抗すると、彼女は納得がいかなかったようで、目を細めて私を睨む。
「いやいやいや!これ可愛い?」
美利ちゃんが全力で指差したのは、私達の周りをちょこまかとうろついている鳩。
まん丸な目で首を動かしている様が、まるで「何?」と尋ねているようではあるが…
「まあ…可愛いとは…」
「そうやろ!」
言葉を濁すと、それみたことかと美利ちゃんは勝ち誇った顔になった。
くるくる変わる美利ちゃんの表情。
感情豊かな彼女は、素直な心根が見えて、微笑ましい。
「あれ?美利やん!」
声のした方へ振り向くと、美利ちゃんとは違う制服を着た女子高生たち。
「うあ!みんな、久しぶりー!」
目を見開いて驚いた美利ちゃん。
知り合いのようだ。
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