1685人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
美香達は私の気持ちを知らない。
知れば仰け反るだろう。
“あのアホのどこがいいの?”と。
年上のプライドとか、職場での世間体とか、しがらみだけが積もっていく三十路の女。
もうこの密かな思いも七年目だ。
いっそ相原が誰かとくっついてくれたら、諦められるのかな?
そんな気配もなく、今日も相原はヘラヘラと笑っている。
三十路の長年の恋煩いを知ったら、きっと逃げてくよね。
だから私は、今日もただの意地悪な先輩でいる。
明日も、あさっても。
きっと、ずっと。
誰にも言えない三十路の呟き・終
最初のコメントを投稿しよう!