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「貰ったとは書いてなかったらしいけどさ。戸川君の部屋から左手薬指の指輪の画像を送って来るってことはそういうことでしょ?」
「戸川君の部屋って確証ないじゃん」
「でもロンドンにいるんだよ!」
重鎮様が口々に騒ぎ始めたところで、とりあえず脱走を試みる。
「あの俺、仕事があるんで……」
「あ、ちょっと相原」
「コーヒーご馳走様でしたーっ」
捕まる前に休憩室を飛び出した。
「ふぅ……」
あの指輪。できれば由里ちゃんの虚言であって欲しいけど。
でも戸川っちの部屋だと、相原君の中ではほぼ確信してしまった。
「相原」
足を引きずり歩く廊下で、後ろから聞こえたこの声は。
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