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「もー元気ないわね!どうせゲームで夜更かしでもしたんでしょ」
普段は喜んでいじられてるのに、なんでだろ?
いつもの冗談なのに、今日は子供扱いされるとムカついた。
「別に俺ゲームなんか……」
梨香子先輩なんか夜遊びしてたじゃん、男と。
「あ。まさか相原。元気ないのって、もしかして渡辺さんのこと好きだったとか?」
俺の顔を覗き込んで梨香子先輩はクスクス笑った。
「それだけはないわね!どう見ても犬猿の仲だっ……」
「俺は成瀬ちゃん一筋ですよ」
それは俺にとって口癖のような軽い言葉だったけど、梨香子先輩の笑みがなんとなく強張った気がした。
「あ、そ。そうだったね。忘れてたわ。じゃね。午後頑張って」
作ったような素っ気ない笑顔で手を振ると、梨香子先輩は元来た方向に戻っていってしまった。
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